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タグ: 高周波測定
miniVNAをリモートで使用する(2)
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miniVNAをリモートで使用する(1)
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RPAツールとminiVNAを用いた自動測定(1)
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MetroVNA(1)
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Port Extension再訪(3)
Port Extension再訪(2) より続く。 Port Extension機能を用いて測定結果を補正します。引き続き、ケーブルの先端に接続した100Ωの抵抗を測定します。vna/Jに
Port Extension再訪(2)
Port Extension再訪(1) より続く。
一枚目の画像はminiVNAのDUT端子に100Ωの抵抗を取り付けて、そのインピーダンスの周波数特性を測定してスミスチャートに表示したものです。
スミスチャートは被測定物のインピーダンス(純抵抗とリアクタンス分)を銀杏のような形の座標系にプロットするものです。見方ですが、円中央の水平軸が被測定物の純抵抗分(R)を示す軸です。中央が測定系の基準値(この場合50Ω)、左端が0Ω、右端が無限大となっています。被測定物が誘導性リアクタンス(例:コイル)を有する場合、円の上半分に、容量性リアクタンス(例;コンデンサ)を有する場合、円の下半分にプロットされます。細かな説明は割愛しますが、総じて大きなリアクタンスを有する場合は右半分に、小さなリアクタンスの場合は左側にプロットされます。測定結果は基準値で正規化されます。
話を100Ωの抵抗の測定結果に戻します。50Ω基準系ですので、測定結果(緑線)が中央水平軸の右側の2(=100Ω/50Ω。)付近プロットされています。測定結果の輝線が左上に少し延びているのは、周波数が高くなるにつれて特性の悪化によって2からずれてしまっているためです。この場合、誘導性を示しています。抵抗のリード線がコイルの巻き線のように振舞うからでしょう。
2枚目の画像はVNAに長さ10mほどの同軸ケーブルを接続し、その先端に上記の抵抗を取り付けて周波数特性を測定した結果です。測定結果は”2”付近を通る同心円を描きます。なぜ、同心円を描くかというと、間にある同軸ケーブルが分布定数回路として動作して、そのケーブルの導線のインダクタンス分と線間容量が加わり、測定側からみた見かけのインピーダンスが変化するからです。その変化するリアクタンス分が周波数によって変化するため、このような測定結果を描きます。ちなみに完全な同心円ではなく、アナログレコードの溝のようになっているのは、周波数が高くなるとケーブル損失が増えて反射量が減衰して見かけのSWRが良くなって、測定結果が50オームに近づくためです。
ここでは、周波数特性を測っていますが、同様の測定結果は周波数を変えずにケーブル長を変えた場合にも起こります(ケーブルの長さを変えると間に加わるインダクタンス分と線間容量が変化するため)。したがって、結論としては、測定物との間にあるケーブルの長さによって見かけのインピーダンスが変わるということです。
すなわち、アンテナのインピーダンス測定において、間に給電用の同軸ケーブルを介して測定した場合(VNAであろうが、アンテナアナライザであろうが)、その表示値は、アンテナの本当のインピーダンスではないということになります)。
ですから、測定結果に従ってマッチング回路を挿入したが、却って不整合な状態になってしまったということも想定できます。
なお、電気的に半波長のケーブルを介してアンテナのインピーダンスを測定した場合、そのインピーダンスと同じ測定結果が得られるといわれます。細かな説明は割愛しますが、スミスチャート上、測定結果が円を一周してもとの場所に戻るからです(ここではケーブル損失は考えません)。
このようなケーブルを介して測定した場合の見かけのインピーダンスを被測定物の真のインピーダンスに補正してくれる機能がPort Extension機能です(続く)。